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3億を手にすれば本当に幸せになれますか?小説「億男」の感想

億男 (文春文庫)

 

 

3行でわかるあらすじと感想
 

 

あらすじ

 

・借金を背負い妻と娘とも別れた主人公が宝くじで3億を手に入れる

 

・大金を手にした主人公は怖くなり、大学時代の親友に相談をするが3億を盗まれてしまう

 

・親友とともに会社を経営していた3人の友人に主人公は会いに行くのだが、そこで「大金を手にしたものたちの末路」を目の当たりにすることになる

 

 

感想

 

・大金を手にしたからと言って幸せになれるとは限らないということが身にしみた

 

・宝くじが3億当たったとしたら、今の家族や友人関係を壊さずにいられるだろうかと考えてしまう

 

・お金を持たない辛さと、大金を手にすることで起きる苦しみという両方の葛藤を考えるキッカケになった

 

 

 

 

 

 
 
詳しいあらすじと感想

 


あらすじ

 

弟のために3000万という借金を背負った一男が、3億という大金を宝くじで手に入れるところから始まる。一男は借金のために妻と別れ、昼は図書館司書として、夜はパン工場のアルバイトをする働き詰めの毎日を送っていたのだが、大金が急に手に入り困惑する。「億」という人生で見たこともない額を手に入れたときに、恐怖におそわれ、大学時代の唯一の親友である九十九に相談をすることにした。しかし、九十九は100億円以上の総資産があるにもかかわらず、一男の3億を持って逃走してしまう。一男は3億を取り戻すために、かつて九十九とともに会社を起こした3人の友人を尋ねることになる ---------------

 

 

感想

 

お金って一体何なのだろうか。

お金について真剣に考えたことがなかった。それをこの本を読んで痛感した。自分にとってお金とは何なのか、お金は自分にとってなぜ必要なのか、大金を手にしてお金持ちになるというのはどういうことなのか。そして、大金が手に入ったときに自分は今の自分でいられるのだろうか?

 

「宝くじで3億当たったらどうする?」というような妄想をしたことが誰でも一度はあると思う。海外旅行に行きたいし、良いところにも住みたい、良い洋服が欲しいし、豪華なお店で飲み遊んでみたい……お金があると仮定したときの欲望はそこを尽きない。


だが本当に3億を手にしたら、本当に幸せになれるのだろうか。3億を手にしたときに家族や友人とそのままの関係で一緒に過ごせるだろうか?大金を手にしたときに盗まれる心配もせずに心が平穏を保てるだろうか?お金が手に入ったことにより、お金遣いが荒くならないようにできるのだろうか?大金が手に入ったときにやりたいことは、本当に自分が心からやりたいことなのだろうか?お金があるのになぜ今まで頑張らなかったのだろう?

 

億男では、主人公である一男の親友である九十九に3億を盗まれるところから物語は動きだす。九十九は3人の友人と会社を起業していたことがあり、一男はその友人たちを訪ねることになる。

九十九とその友人たは会社を売却しておりそれぞれ数十億の資産を持っている。全員が裕福で幸せに過ごしていると思いきや、お金を持っていながらお金に苦しむという現状を一男目の当たりにする。この小説を読んでいると「お金持ち=幸せ」というのは、幻想なのではないかと思ってしまう。

 

読み進めていくと「大金を持つことが本当に幸せなのか」ということを疑問に思っていくのだが、また反対に「お金を持たないことの怖さ」というのも身にしみてわかる。この2つは矛盾しているようだが、「お金」というものから人間は常に逃れられないのだと思った。

お金を持たざるものは好きなものは買えないし家族を守れないかもしれない。逆に、大金を一気に手にしたことにより友人関係や家族関係が壊れるかもしれない。

 

お金というものが自分にとってなんなのかはわからない。必死に働き、必死にお金について考え、必死に大金を掴んだ人がやっと理解できるものかもしれない。億男を読むとその世界がほんの少しだけ垣間見ることができるので、同じような疑問を持つ人は読んでみて欲しい。

 

 

 

 

億男 (文春文庫)

億男 (文春文庫)

 

 

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(映画化もされる)